大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)584号 判決

貸金業等の取締に関する法律第二条第一項に、いわゆる金銭の貸付とは同項但書に掲げるものを除き、ひろく金融のために金銭を貸与する行為をいうのであつて、この種の行為が常に利得の目的をもつて行われるものであることは、原判示説示の趣旨に窺われるとおりである、しかし、一般に金銭を貸与する行為は、専ら恩恵的意味の下にするのでない限り、これを金融のためにする行為ということができるのであるが、このような金融のために金銭を貸与する行為は、それ自体のうちに内在的に、利得の目的を具備しているものというべきであつて、他の利息の取決めという積極的な行為を俟つて初めて利得の目的が具現されるものでないというべきである。けだし、利得の目的は、利息の収受を図ることを通例とすることはいうまでもなく、従つて、利息の取決めという積極的な行為がある場合において、その目的が一層明らかに具現されることは勿論であるけれども、単に利息の収受を図る場合に限らず、他に財産上の利益の収受を図ることも亦利得の目的に外ならないのであり、現在の資本主義経済機構の下においては、金融のために金銭を貸与する行為は、本質的にこれらの意味における利得の目的から離れて決して存在し得るものではないからである。以上の次第であるから、利息の取決めがなく金銭の貸与が行われた場合に、その貸与行為をもつて直ちに利得の目的がないものということができないばかりでなく、このような利息の取決めのない金銭の貸与行為であつても、他に前叙の如き特別の事情の認められない限り、これを前示金融のために金銭を貸与する行為というべく、従つて、この種の行為は前示法条にいわゆる金銭の貸付に該当するものというべきである。

本件において、原判決が利息の取決めがないものと認めた伊佐静麿及び長まさ子(まさよとあるのはまさ子の誤と認める)に対する貸金について記録を精査しても、前叙の如き専ら恩恵的意味の下にされた特別の事情が認められないから、これを前示法条にいわゆる金銭の貸付に該るものといわなければならない。

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